2017年12月24日日曜日

ラスター彫刻の手順

こんにちは。ぽんです。
ラスター彫刻の手順が安定してきたので、忘備録的に記録します。
まず、使用するソフトは「LaserGRBL」です。Windows用です。
白黒やグレースケールの画像は事前に用意していることとします。
カラーイラストや写真からも同様の手順で作製できますが、今回はお花イラストで説明します。
なお、彫刻サイズも事前に決めておきます。今回は幅295ミリ長さ300ミリの素材に合わせた画像を準備しています。

まず、LaserGRBLですが、執筆時点の最新版はV2.8.35です。
インストールは割愛して、レーザー加工機との接続から説明します。
接続ポートと速度は日頃からレーザー加工機を使用しているなら、他の機器と同じで大丈夫です。図のように順番に設定して、コネクトアイコンをクリックします。

無事にレーザー加工機と接続完了すると、下記のようにレーザー加工機GRBLのバージョンが表示され、ジョグ等が使える状態になります。

次に画像からCAMデータに変換する方法を説明します。
まず、メニューの「File」-「Open File」を選択します。

CAMデータへ変換したい画像を選択して開いてください。
対応ファイル形式は画像は、JPG、PNG、BMP、GIFです。他にGコードも読めるようです。

あとはレーザー加工機の出力や性質によって変わると思うので試行錯誤になりますが、共通的な部分を書きますが、間違っていたら教えてください。
・Resize:解像度(デフォのsmoothで使っています。)
・Grayscale:グレースケールの明暗基準の設定(デフォのSimpleAverageで使っています。)
Parameters(設定項目)
・Brightness:ブライトネス
・Contrast:コントラスト
・White Clip:階調による加工範囲の抽出
・B&W:MAX照射範囲のみを抽出
Conversion Tool
・Line To Line Tracing:ライン状にレーザーを照射
・1bit BW Dithering:点状にレーザーを照射
・Vectorize!:輪郭部のレーザーを照射
Line To Line Options
・Direction:レーザー照射向きの設定(左右、上下、斜め)
・Quality:1ミリに何本レーザーを照射するか→解像度
・Line Preview:プレビュー


CAMデータに変換できたら下のような、赤いプレビューが表示されます。
あとは照射対象をレーザー加工機へセットして、接続設定付近の小さな緑色の「RUN」ボタンで実行できます。
メニューの「File」ー「Save Program」で保存もできます。また、作成したデータはbCNCでも扱えました。


Co2レーザー加工機をお持ちの方は彫刻後に切断まで行いたいですよね!
ぽんはLaserGRBLで作成したデータのへ下記Gコードを削除して、替わりにInkscape で作成したGコードを末尾へ挿入しています。
G90
G0 X0 Y0





2017年12月10日日曜日

資材調達に南小国町へ行きました!

 こんにちは。ぽんです。

 今日はとても寒かったですが、以前、穴井木材工場さんへ依頼していた小国杉の薄板を頂きに出かけました。
 阿蘇外輪山ミルクロードは一面の銀世界で、とてもキレイでしたが寒いのなんの。

 なぜ小国杉の薄板なのか?
 以前、ヒノキ板5mm厚とシナベニア板4mm厚を使用して木材加工のテストを行ったところ、仕上がりに大きな差が出ました。いわゆる無垢材と合板の違いですね。
 無垢材の難点としては繊維方向があるため切断する向きを検討しないと割れやすくなります。また、反りについても考えたりと、合板では気にしないことを考えないといけません。
 一方、杢目がレーザー加工で浮き彫りになったり、切断時の断面がキレイとか、永年経過で風合いが変わることを楽しんだりするので、ぽんは興味を持ちました。
 聞くところによると、有名産地の木材は独特の個性を思っていて、その個性が加工後の作品に影響します。そして作品に素晴らしい味わいを与えてくれるそうです。
 小国地域も有名産地の一つらしく、小国杉は主な品種が2種類で寒暖差が大きい地域なので、断面が明るい色合いの橙色から桃色で冬目が締まっていて、強度と杢目の美しさが特徴だそうです。

 ということで穴井木材工場さんへ伺ったところ、さすが製材所さんですね。12月なので超多忙な感じでしたが、社長さんは来訪にすぐ気付いてくださり、「商品はfebrab南小国へ預けていますので。」とのこと。(感謝)
 febrab南小国へ伺うと、鈴谷さんがいらっしゃり、なんと薄板の仕上げは鈴谷さん自ら行って下さっていました!(さらに感謝)
 小国杉独特の明るい赤色が入った杢がとてもキレイな板目材でした。
 この杢目を活かした作品作れるか、ちょっと自信ないですが、頑張りたいと思いました。

 さて、お昼には自宅へ帰る予定でしたが、ちょっと時間が早かったので、以前に木製ブラインドの端材を分けて頂けないか、相談した河津製材所さんへお伺いさせて頂きました。
 工場に着くと、ここも超忙しそうでしたが、親切な従業員さんがすぐに気づいてくださり、専務さんを呼んでくれました。
 忙しい時期に突然の来訪にも関わらず、ご対応頂き深く感謝いたします。
 以前、お電話で連絡させて頂いた時に、レーザー加工機で使用したい旨と何か端材の利用方法を考えて資源の有効利用を提案できたらとの、ぽんの個人的な考えをお話したところ、快くサンプルのご提供を引き受けていただいたのです。
 木製ブラインド用の端材を希望していたのですが、どう見ても製品用の良品を沢山頂きました!
 本当に、本当に感謝です!
 ちなみに加工機に入るサイズに切断して、自宅搬入しました。テーブルソーかバンドソー欲しいです。

 早速、穴井木材工業さんから購入させて頂いた薄板で、コースター作りました。
 まだまだな感じですが、冬目がいい感じでした。
 もちろん、売りませんよ!著作権怖いですからね!



2017年12月5日火曜日

レーザー加工機の製作・自作(GRBLの設定とLaserGRBL)

 こんにちは。ぽんです。

 以前からGRBLの設定で気になっていたことが解決したので、忘備録として残します。

 GRBL0.9iまではレーザー加工機で使用すると、加速や減速時もレーザー出力が一定だったが、GRBL1.1以降?は加速時と減速時にレーザー出力を可変できるようになりました。
 つまり、加速時と減速時は移動速度が遅いため、レーザー照射される時間が長くなり、切断では切れないところが発生したり、彫刻では白黒2値のドット描画しか使えなかったのが、レーザー出力が連続可変するので、ラスター描画が綺麗になるということです。

 ちなみにGRBL1.1以降は$32=1とすることで、M4でこの連続可変モードが使えるのですが、$32=0のときはM3でもM4でも出力することが解りました。
 まあ、もともとCNCではM3がスピンドル正回転、M4が逆回転なので回転方向のないレーザー加工機なら、どっちでも出力して当然ですね。知らんかったので、$32=0でもなんでM4使えるのか悩みました。

 ハイ、これが$32=0でM3出力です。階調間の濃いところが加減速中の場所です。

 これが、$32=1でM4出力です。非常になめらかです。真っ直ぐじゃないのは精度が悪いのが原因です。リニアレールとかに改造が必要か・・・

 これが$32=0でM3出力です。見れたもんじゃないでしょ。

 これが、$32=1でM4出力です。どうでしょうか?高さ50mmの大きさの割にはきれいだと思いませんか?左はコントラスト設定の失敗です。

 このテストは全てシナベニア合板4mmで作成しています。
 あと、データはLaserGRBLを使わせて頂きました。フリーソフトなのにレーザー出力の連続可変に対応しているスバラシイです。
 LaserGRBL設定について、特にCO2レーザー加工機の場合はカラーチャートを彫刻したい材料でテストして、一番濃い境界の出力をMAX、ギリギリ見える部分をMINへ設定するといい感じでした。
 うちのレーザー加工機はMIN=78、MAX=105くらいが良いようでした。
 GRBL1.1以降はPWMが100%=1000となるので、出力で7.8%-10.5%ですが、110V仕様の電源を100Vで使用しているので、実際は約7.1%ー9.5%くらいと思います。

 これで写真の出力に目処が着いたので、レーザー加工機でヤりたかったことの一つは果たせそうです。